日 時:2024年10月20日(日)午後2時ー4時半(開場1時30分)
会 場:武蔵野スイングホール レインボーサロン(南棟11階)
JR中央線・西武多摩川線「武蔵境駅」北口下車徒歩1分
参加費:1,200円(学生500 円)
受 付:申込み先着160名(全席自由席)
満員御礼
本講演会は満員のお客様を迎え盛会で開催いたしました。。
ものの見方がひっくり返る時代を生きる (板垣雄三さんからのメッセージ)
少し前まで日本では、イスラエルが中東唯一の民主主義国だと信じていた人が、たくさん居ました。ホロコーストと呼ばれるナチ犯罪の犠牲にされたユダヤ人が第二次大戦後やっと手に入れた国なのに、それに反抗するパレスチナ人はナチ残党のテロリストだと思っていた人も多かった。私は社会的発言を始めた一九五〇年代から七十年間、パレスチナ問題の本質は植民地主義とそれへの抵抗だと言い続けたが、人々の思い込みは強固でした。オイルショック、イラン革命、日本国民が戦費20%を負担した湾岸戦争、自衛隊を送り出したイラク戦争など、さんざんパレスチナ問題と直面してきたのに、健忘症がそれを遠くの紛争に戻してしまいました。ところが昨年末からの変化はどうでしょう。世界中でイスラエルは非難の的。
このイスラエル観急転は、世界の中心に安住してきた米欧の人気墜ちと表裏一体です。欧米中心の世界システムの揺らぎは、グローバルサウスの国々も含め世界全体の国々で分断分裂が拡がる危機・異常事態を生じさせています。ほうぼうで綻びが出る欧米中心主義の終局に向かって、モノの見方のドンデン返しが進行中なのです。常識や通説が崩れるだけでなく、良識も危機に瀕する。世界戦争への転落も起きかねない。そんな中、人類の躓きの原因と現在の混迷の起点とを、時勢や状況を「読む」力という視角から考えなおしてみましょう。
■板垣雄三(いたがき・ゆうぞう)さん:プロフィール
1931年(昭和6年)2月、東京本郷生まれ。現在93 歳。
パレスチナ問題研究歴 70 年。 東京大学・東京経済大学各名誉教授、文化功労者(2003)。中東問題研究の第一人者として高く評価され、多くの後進を育ててきた。
日本ジャーナリスト会議JCJ特別賞受賞(1991)。 日本中東学会会長、アジア中東学会連合会長、国際歴史学委員会CISH日本委員会代表、日韓歴史家会議組織委員長、日本学術会議会員(第16-18期)などを歴任。
第1次石油危機(1973)、イラン・イスラーム革命(1978-79)、湾岸戦争(1990-91)、9.11事件(2001)、‘ガザ破裂’(2023)を早くから予見し警告。「イスラーム化と近代化」・「イスラームの都市性」等の国際共同研究を組織し、「日本とイスラーム世界の文明間対話」を招集するなど、中東理解の牽引役として活躍を続ける。
著書に『アラブの解放』『石の叫びに耳を澄ます』『歴史の現在と地域学 現代中東への視角』『イスラーム誤認 衝突から対話へ』『日本人よ、覚悟はできているか!』など多数。