江戸から見ると
本講演会は2024年4月27日にご好評いただき開催いたしました。
日時:2024年4月27日(土) 13時30分~16時(開場12時45分)
会場:三鷹市公会堂 光のホール(申込み先着 700 名・全席自由席)
聴講料:1500 円/学生500円(当日、会場受付にてお支払い下さい)
江戸時代の 「眼」 で現代を見るとき見えてくるものは何か
「今」 と 「これから」 を一緒に考えませんか?
田中優子さんからのメッセージ
「江戸から見ると」は、8 年間にわたって毎日新聞で連載したエッセイの題名です。
江戸時代には明確な社会像がありました。諸藩の目的は「経済(経世済民)」です。これは、必要なものを豊かに生産(経世)し万民を救う(済民)ことを意味しました。幕府の目的は「治世」でした。これは内戦も海外戦争も起こさず、騒乱や犯罪を抑制して世の中を平穏に保つことを意味しました。そのために本の出版を盛んにし、学問と教育を行き渡らせました。
そこから見た時、現代社会は政界も経済界も「目的」を失っているように思えます。戦前の社会は何を目的にしたのでしょうか? 戦後社会の目的は日本国憲法に明文化されています。それは人権を尊重し、三権分立を守り民主的に営まれる、戦争を放棄した国の姿です。その目的は真摯に追求されてきたでしょうか? 江戸時代の価値観を述べながら、もう一度、目標とすべき社会について問い直します。
プロフィール
法政大学名誉教授・前総長、江戸東京研究センター特任教授。
法政大学社会学部教授、国際日本学インスティテュート(大学院)運営委員長、社会学部長、総長を歴任。サントリー芸術財団理事、『週刊金曜日』編集委員、TBS「サンデーモーニング」コメンテーターを務める。
専門は、江戸時代の文学、美術、生活文化を主たる研究領域とする、日本近世文化論・アジア比較文化研究。著書『江戸の想像力』で芸術選奨文部大臣新人賞を、『江戸百夢』で芸術選奨文部科学大臣賞・サントリー学芸賞を受賞。2005 年度紫綬褒章受章。2023 年度アカデミア賞受賞。
江戸時代の価値観・視点から、また持続可能な社会システムの観点から現代社会・文化の課題についても積極的に発言する。
著書多数。単著に、『江戸の想像力』、『近世アジア漂流』、『江戸百夢』、『グローバリゼーションの中の江戸』、『鄙への想い』、『カムイ伝講義』、『布のちから』、『江戸から見ると』、『苦海・浄土・日本―石牟礼道子 もだえ神の精神』、『遊廓と日本人』他。共著に『日本問答』、『江戸問答』、『江戸とアバター』他。
ご好評により満席となりましたので、参加申し込みは締め切らせていただきました。