日 時:2024年7月13日(土)午後2時ー4時(開場1時30分)
会 場:武蔵野スイングホール レインボーサロン(南棟11階)
JR中央線・西武多摩川線「武蔵境駅」北口下車徒歩1分
参加費:1,200円(学生500 円)
受 付:申込み先着160名(全席自由席)
申し込みは締め切りました。
今回の講師は、文芸・映画評論家、名エッセイストとして知られる川本三郎さん。永井荷風を「わが心の人」と敬愛し、代表作『荷風と東京 『断腸亭日乗』私註』をはじめとする評論で他者の追随を許さぬ荷風論を展開。荷風への理解を深化させ、愛好者の裾野を広げてきた第一人者です。いま、なぜ荷風か。荷風文学の真骨頂はどこにあるのか。その古びることのない魅力を語っていただきます。
■講師紹介
1944 年東京生まれ。東京大学法学部卒業。評論家、エッセイスト。文学や映画、旅エッセイを中心に幅広い執筆活動を続ける。
著書『大正幻影』でサントリー学芸賞、『荷風と東京――『断腸亭日乗』私註』で読売文学賞、『林芙美子の昭和』で毎日出版文化賞・桑原武夫学芸賞、『白秋望遠』で伊藤整文学賞を受賞するなど、文芸評論家として高い評価を獲得。
永井荷風に関して、金字塔的論考『荷風と東京』の他、『荷風語録』(編著)『荷風好日』『図説永井荷風』『老いの荷風』等を著し、現在『波』(新潮社)誌上でライフワークとも言うべき「荷風の昭和」を連載中。
その他、『銀幕の東京』『今ひとたびの戦後日本映画』『成瀬巳喜男 映画の面影』等、多数の映画評論、『台湾、ローカル線、そして荷風』『ひとり遊びぞ我はまされる』等の旅エッセイ、回想録『マイ・バック・ページ ある60年代の物語』、追想記『いまも、君を想う』等、著書多数。トルーマン・カポーティ等の外国文芸作品の翻訳も多数手がける。
■永井荷風
1879 年(明治12 年)、東京都文京区に生まれる。1959 年(昭和34 年)、千葉県市川市で死去。
高等商業学校付属外国語学校(東京外国語大学の前身)清語科を中退し、1903 年(明治36 年)から1908 年にかけてアメリカ・フランスに遊学。フランス文学、フランス文化に親しむ。帰国後、『あめりか物語』(1908)、『ふらんす物語』(1909:発禁) を発表し、文名を高める。1910 年、森鷗外、上田敏の推薦を受け慶應義塾大学文学科教授となり、『三田文学』を創刊。1916 年、大学を辞し創作活動に専念。大正期の代表作に『腕くらべ』(1917)、『おかめ笹』(1920)、昭和前期の代表作に『つゆのあとさき』(1931)、荷風文学の到達点とされる『濹東綺譚』(1937)などがある。戦時中は軍国主義に対する非妥協的姿勢を貫く。書き溜めた『浮沈』『踊子』等を戦後世に問い、「荷風ブーム」が起った。1917 年から死の前日まで42 年間にわたり記し続けた日記『断腸亭日乗』は、激動の時代を生き抜いた荷風の生き方と同時代の世相を伝える最高傑作。文化勲章受章(1952)、日本芸術院会員(1954)。